新・おしゃべりキッチン「安いものには訳がある!」を開催しました!(消費材委員会主催)
9月19日(木)クレオ大阪東にて新・おしゃべりキッチンを開催しました。
1度に3生産者の話を聞く新しい形の生産者交流会です。
1生産者から30分ずつ、主に「市販品と消費材の違い」について語ってもらいました。
新規組合員、ベテラン組合員合わせて35名が参加しました。
(株)ヤマボシ
所在地 静岡県焼津市
創業文久3年(1863年)の歴史のある老舗
《マグロやカツオ刺身、佃煮など》
魚場には上質なマグロが生息する良い漁場と並の漁場があります。
市販品の多くは外国船が並の漁場から漁獲量重視で獲ったものを-30℃で緩慢凍結(食品をゆっくり凍結させる方法)した魚です。
また、船での処理が遅く、ランクの低い魚を使用しています。
消費材は日本船を使い太平洋沖の良い漁場で漁獲量は少なくても1本1本の丁寧な処理が出来る、はえ縄漁(※)で獲っています。
3,000本の釣り針に対して3%の水揚げしかなく効率は悪いのですが、マグロの質を落とさないため新鮮な状態を保つことができる漁法です。
獲れた魚は神経取りなどの、早い下処理を行った後マイナス50~マイナス60℃の急速凍結されるため、解凍してもドリップが少なく、色変わりがしにくく、身が引き締まって脂がのっています。そのため高品質を保てる点が特長です。
最近は、マグロの餌(イカ、サンマ)の不漁で餌代が高騰しています。
(※)はえ縄漁とはロープ150km(大阪城から直線で名古屋までの距離)を伸ばしてロープに釣り針をつけ漁場に仕掛ける漁法。
~冷凍マグロの上手な解凍方法~
①冷凍のマグロをさっとぬるま湯に浸し、または水で表面の粉(キリコ)を流す。
キリコは電気カッターで冷凍マグロを切り分けた時に付く微細な魚肉の粉.
②1ℓに大さじ2杯程度(3%くらい)の塩を入れ、よく溶かし塩水を作る。
③マグロを塩水に1分ほど浸す。
④取り出したマグロをキッチンペーパーで水分を拭き取る。
⑤皿の上にのせラップをして10時間~12時間冷蔵庫でゆっくり解凍すると旨み成分が出るため、朝に準備すると、夕食に美味しく食べられる。
・急ぐ時は①~④の後 冷蔵庫で20分ほど解凍し半解凍から七分解凍で切ると切りやすい。
☆服部さんおススメ! ビンナガマグロの美味しい食べ方
→ごま油+ゆず胡椒+塩をブレンド。かけて食べたら美味しかった~試してみて♪
(株)ヤマボシ 服部さん 創業から10代目になるという若手生産者
みえぎょれん販売(株)
所在地 三重県伊勢市
養殖場は鳥羽市沖の答志島、菅島(良質な海苔の産地)
昭和45年三重県漁連が100%出資した漁師のための子会社として設立
《伊勢のり、焼きのり、鰹節、ふりかけ、ゴマなど》
市販品は多くの流通業者の介在で経費が上乗せされますが、消費材ののりはみえぎょれん販売が入札し加工、製品化して生活クラブに直接卸すので中間経費がかかっていません。
また、段ボールなど包材の再利用や運送費の節約などの工夫がされているので、品質の良い美味しいのりがリーズナブルな価格で供給されています。
~きれいで栄養豊富な海にするために、環境保護にも努めている~
海藻の生育に必要なものは水・光・二酸化炭素・栄養塩(チッソ、リンなど)です。
栄養塩は山から川に流れ水質の良い川の豊富な恵みを受けて育まれています。
石けん推進運動、海浜清掃、植樹活動、森林の手入れなど漁師自ら参加して水産資源の永続的な活用にも力を入れています。
~海藻の国内自給率と問題点~
海藻全体では国内自給率は69%(のり80%、ひじき15%、わかめ25%)。
全形のりの生産量は2017年75億枚から2018年63億枚と減少しています。
生産量が年々減り、それにも増して漁師の数が年々激減している現状があります。
理由は漁師の高齢化、のりを加工する機械の高額な設備投資・収穫期の重労働などから後継者不足が深刻です。
みえぎょれん販売では共同加工場を建設し共同運営という生産体制をとり、個々の生産者の経済的・人的負担を減らして漁師のための会社として運営しています。
~のりの栄養と食べ方、保存方法~
のりはタンパク質、旨み成分のアミノ酸を全て含んでいます。
またビタミン、ミネラルなど幅広い栄養を含むので1日2枚を食べることをおすすめします。
のり1枚3gにたんぱく質が1.2gも入っています。
おにぎらずにするとたくさん食べられます。
「1才半の幼児に伊勢のりだけをちぎって、おやつにあげたら1枚ペロッと完食!」という話もあります。
湿気ると香りが飛び乾かしても味は元に戻りません。
そんな時は天ぷら、佃煮がおすすめ。
保存は涼しく乾燥した冷蔵庫の上の段で行うのがおすすめです。
☆手巻きずし用 のりの切り方
全形のりを縦半切りし対角を重ねると手巻きずしがきれいに巻けます。
みえぎょれん販売㈱ 前田さん
マルモ青木味噌醤油醸造場
所在地 長野県長野市善光寺
創業は昭和3年
《味噌、米こうじなど》
味噌は通常2か月~1年かけて熟成させます。
しかし、市販品のダシ入りみそは最短1週間で出荷するものもあり、味を補う目的で化学調味料などが添加されています。
かつお節パウダー、昆布エキスと表示にあっても、かつお節、昆布そのものとは限りません。
また市販品の味噌の多くは、酵母の働きでパッケージが膨らむのを抑えるため、加熱処理をして酵母菌を殺しています。
つまり、加熱処理をして酵母菌を殺しているので酵素も働かなくなります。
そして、もう一つ酵母の働きを止める方法として、アルコールを添加する方法があります。
市販品の味噌のパッケージに「無添加」と表示を見かけます。
何が無添加なのでしょうか?
実はアルコールの添加がないから「無添加」と表示しているのです。
市販の味噌も冷蔵ショーケースで陳列されていますが、流通、保管は常温です。
パッケージが膨らんでいる味噌なんて見たことないですよね?
加熱処理をして酵母菌を殺すか、アルコールを添加して発酵を止めているからです。
熟成期間も加熱処理の有無も表示義務がないので、消費者にはどんな味噌なのか分かりません。
消費材の味噌は加熱処理されていません。酵母菌が生きていて酵素も働く、まさに生味噌です。
腸活にもいい本物の「発酵食品」です!
パッケージが膨らむのを抑えるために、加熱処理を行うのではなくコストがかかる“冷蔵流通”をしています。
(「信州田舎みそこし」と「信州田舎みそこうじ」は一時的に発酵を止める目的でアルコール添加がされています。)
~加熱殺菌している味噌を見分ける実験~
①片栗粉(デンプン)に熱い湯を入れて練った(わらびもちのような粘り)容器を2つ用意する。
②消費材の味噌と市販品の味噌をそれぞれの容器に加えよく混ぜる。
数時間後、消費材の味噌を加えた方は酵素が残っているのでデンプンが分解され粘りのない流動状になるが、市販品の安い味噌の方は、練った時のダマの状態のままで変化がなく酵素は働いていないことがわかる。
〈参加者からの質問〉
・手作り味噌の保存の場所は?、美味しくできる容器は?、減塩はどの程度まで?
(答え)冷蔵保存が望ましい。常温保存でも基本的には味噌は腐らないが発酵が進むため色が濃くなり味にコクが出る。苦味、酸味も出てくることがある。
木樽が最も適しているが、容器よりも保存する場所に気を使ったほうがいい。涼しく風通しがいい昔の蔵のような場所が理想。
手作り味噌では減塩は10%まで。11~12%は発酵、熟成に最も適している。
マルモ青木味噌醤油醸造場 鈴木さん 味噌づくりの伝道師
お待ちかね~試食と生産者との交流タイム
マグロと鰹の刺身、味噌汁、5種類の味噌味比べ、手巻きごはん
今回、「新・おしゃべりキッチン」という形の生産者交流会で、私たち組合員は品質の良い物を手軽に購入できることを再確認しました。
おおぜいの組合員でしっかり利用するという共同購入だからこそ、生産者は品質のいい消費材を作り続けることができます。
生産者と組合員が「お互いの顔が見える関係」の意味が分かった交流会で、試食後も生産者を囲んで気軽に質問や感想などお話ができました。
やはり安いものには訳があった!
どんな生産者がどんな材料で、どのような方法で作ったかが明らかな、生活クラブの消費材を組合員にもっと知らせていきます。
(消費材委員会)
1度に3生産者の話を聞く新しい形の生産者交流会です。
1生産者から30分ずつ、主に「市販品と消費材の違い」について語ってもらいました。
新規組合員、ベテラン組合員合わせて35名が参加しました。
(株)ヤマボシ
所在地 静岡県焼津市
創業文久3年(1863年)の歴史のある老舗
《マグロやカツオ刺身、佃煮など》
魚場には上質なマグロが生息する良い漁場と並の漁場があります。
市販品の多くは外国船が並の漁場から漁獲量重視で獲ったものを-30℃で緩慢凍結(食品をゆっくり凍結させる方法)した魚です。
また、船での処理が遅く、ランクの低い魚を使用しています。
消費材は日本船を使い太平洋沖の良い漁場で漁獲量は少なくても1本1本の丁寧な処理が出来る、はえ縄漁(※)で獲っています。
3,000本の釣り針に対して3%の水揚げしかなく効率は悪いのですが、マグロの質を落とさないため新鮮な状態を保つことができる漁法です。
獲れた魚は神経取りなどの、早い下処理を行った後マイナス50~マイナス60℃の急速凍結されるため、解凍してもドリップが少なく、色変わりがしにくく、身が引き締まって脂がのっています。そのため高品質を保てる点が特長です。
最近は、マグロの餌(イカ、サンマ)の不漁で餌代が高騰しています。
(※)はえ縄漁とはロープ150km(大阪城から直線で名古屋までの距離)を伸ばしてロープに釣り針をつけ漁場に仕掛ける漁法。
~冷凍マグロの上手な解凍方法~
①冷凍のマグロをさっとぬるま湯に浸し、または水で表面の粉(キリコ)を流す。
キリコは電気カッターで冷凍マグロを切り分けた時に付く微細な魚肉の粉.
②1ℓに大さじ2杯程度(3%くらい)の塩を入れ、よく溶かし塩水を作る。
③マグロを塩水に1分ほど浸す。
④取り出したマグロをキッチンペーパーで水分を拭き取る。
⑤皿の上にのせラップをして10時間~12時間冷蔵庫でゆっくり解凍すると旨み成分が出るため、朝に準備すると、夕食に美味しく食べられる。
・急ぐ時は①~④の後 冷蔵庫で20分ほど解凍し半解凍から七分解凍で切ると切りやすい。
☆服部さんおススメ! ビンナガマグロの美味しい食べ方
→ごま油+ゆず胡椒+塩をブレンド。かけて食べたら美味しかった~試してみて♪
(株)ヤマボシ 服部さん 創業から10代目になるという若手生産者
みえぎょれん販売(株)
所在地 三重県伊勢市
養殖場は鳥羽市沖の答志島、菅島(良質な海苔の産地)
昭和45年三重県漁連が100%出資した漁師のための子会社として設立
《伊勢のり、焼きのり、鰹節、ふりかけ、ゴマなど》
市販品は多くの流通業者の介在で経費が上乗せされますが、消費材ののりはみえぎょれん販売が入札し加工、製品化して生活クラブに直接卸すので中間経費がかかっていません。
また、段ボールなど包材の再利用や運送費の節約などの工夫がされているので、品質の良い美味しいのりがリーズナブルな価格で供給されています。
~きれいで栄養豊富な海にするために、環境保護にも努めている~
海藻の生育に必要なものは水・光・二酸化炭素・栄養塩(チッソ、リンなど)です。
栄養塩は山から川に流れ水質の良い川の豊富な恵みを受けて育まれています。
石けん推進運動、海浜清掃、植樹活動、森林の手入れなど漁師自ら参加して水産資源の永続的な活用にも力を入れています。
~海藻の国内自給率と問題点~
海藻全体では国内自給率は69%(のり80%、ひじき15%、わかめ25%)。
全形のりの生産量は2017年75億枚から2018年63億枚と減少しています。
生産量が年々減り、それにも増して漁師の数が年々激減している現状があります。
理由は漁師の高齢化、のりを加工する機械の高額な設備投資・収穫期の重労働などから後継者不足が深刻です。
みえぎょれん販売では共同加工場を建設し共同運営という生産体制をとり、個々の生産者の経済的・人的負担を減らして漁師のための会社として運営しています。
~のりの栄養と食べ方、保存方法~
のりはタンパク質、旨み成分のアミノ酸を全て含んでいます。
またビタミン、ミネラルなど幅広い栄養を含むので1日2枚を食べることをおすすめします。
のり1枚3gにたんぱく質が1.2gも入っています。
おにぎらずにするとたくさん食べられます。
「1才半の幼児に伊勢のりだけをちぎって、おやつにあげたら1枚ペロッと完食!」という話もあります。
湿気ると香りが飛び乾かしても味は元に戻りません。
そんな時は天ぷら、佃煮がおすすめ。
保存は涼しく乾燥した冷蔵庫の上の段で行うのがおすすめです。
☆手巻きずし用 のりの切り方
全形のりを縦半切りし対角を重ねると手巻きずしがきれいに巻けます。
みえぎょれん販売㈱ 前田さん
マルモ青木味噌醤油醸造場
所在地 長野県長野市善光寺
創業は昭和3年
《味噌、米こうじなど》
味噌は通常2か月~1年かけて熟成させます。
しかし、市販品のダシ入りみそは最短1週間で出荷するものもあり、味を補う目的で化学調味料などが添加されています。
かつお節パウダー、昆布エキスと表示にあっても、かつお節、昆布そのものとは限りません。
また市販品の味噌の多くは、酵母の働きでパッケージが膨らむのを抑えるため、加熱処理をして酵母菌を殺しています。
つまり、加熱処理をして酵母菌を殺しているので酵素も働かなくなります。
そして、もう一つ酵母の働きを止める方法として、アルコールを添加する方法があります。
市販品の味噌のパッケージに「無添加」と表示を見かけます。
何が無添加なのでしょうか?
実はアルコールの添加がないから「無添加」と表示しているのです。
市販の味噌も冷蔵ショーケースで陳列されていますが、流通、保管は常温です。
パッケージが膨らんでいる味噌なんて見たことないですよね?
加熱処理をして酵母菌を殺すか、アルコールを添加して発酵を止めているからです。
熟成期間も加熱処理の有無も表示義務がないので、消費者にはどんな味噌なのか分かりません。
消費材の味噌は加熱処理されていません。酵母菌が生きていて酵素も働く、まさに生味噌です。
腸活にもいい本物の「発酵食品」です!
パッケージが膨らむのを抑えるために、加熱処理を行うのではなくコストがかかる“冷蔵流通”をしています。
(「信州田舎みそこし」と「信州田舎みそこうじ」は一時的に発酵を止める目的でアルコール添加がされています。)
~加熱殺菌している味噌を見分ける実験~
①片栗粉(デンプン)に熱い湯を入れて練った(わらびもちのような粘り)容器を2つ用意する。
②消費材の味噌と市販品の味噌をそれぞれの容器に加えよく混ぜる。
数時間後、消費材の味噌を加えた方は酵素が残っているのでデンプンが分解され粘りのない流動状になるが、市販品の安い味噌の方は、練った時のダマの状態のままで変化がなく酵素は働いていないことがわかる。
〈参加者からの質問〉
・手作り味噌の保存の場所は?、美味しくできる容器は?、減塩はどの程度まで?
(答え)冷蔵保存が望ましい。常温保存でも基本的には味噌は腐らないが発酵が進むため色が濃くなり味にコクが出る。苦味、酸味も出てくることがある。
木樽が最も適しているが、容器よりも保存する場所に気を使ったほうがいい。涼しく風通しがいい昔の蔵のような場所が理想。
手作り味噌では減塩は10%まで。11~12%は発酵、熟成に最も適している。
マルモ青木味噌醤油醸造場 鈴木さん 味噌づくりの伝道師
お待ちかね~試食と生産者との交流タイム
マグロと鰹の刺身、味噌汁、5種類の味噌味比べ、手巻きごはん
今回、「新・おしゃべりキッチン」という形の生産者交流会で、私たち組合員は品質の良い物を手軽に購入できることを再確認しました。
おおぜいの組合員でしっかり利用するという共同購入だからこそ、生産者は品質のいい消費材を作り続けることができます。
生産者と組合員が「お互いの顔が見える関係」の意味が分かった交流会で、試食後も生産者を囲んで気軽に質問や感想などお話ができました。
やはり安いものには訳があった!
どんな生産者がどんな材料で、どのような方法で作ったかが明らかな、生活クラブの消費材を組合員にもっと知らせていきます。
(消費材委員会)