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2018年10月27日~28日 八ケタ会 王林・ふじの目合わせ報告

生活クラブ生協大阪のりんごは、長野県の「八ケタ会」から届けられています。八ケタ会は長野県の北東部、長野県長野市赤沼、豊野町でりんご、巨峰、プルーンを生産しています。八ケタ会にある信州北部、北信濃・善光寺平は積雪が少なく、寒暖差の大きい内陸的気候条件で、果実栽培に適している地域です。

今年は、9月~10月は各地で2度、3度と台風に見舞われ倒木被害があったり、早々に落葉したりで例年通りにりんごが色づくのかなと思いながら、10/27~28に「目合わせ」に行ってきました。「目合わせ」とは、生産者と生協の担当者、組合員の代表が一堂に会して、その年の産地の天候を聞き、園地で生育状況を確認したのち、話し合って出荷基準を決める場です。

8月末のつがる・巨峰の目合わせ時も、生産者からは今夏の高温と、6月以降の降雨がほとんどない気象状況によるりんごへの影響に理解を求める声があがっていましたが、今回の目合わせでは更に、2度にわたる台風の強風による影響も加わり、りんごの生産には厳しい年となったことが報告されました。

つがるの時にも報告しましたが、花が咲いた頃の遅霜、低温障害により「サビ果」が多く発生しています。既に早生種、中生種のりんごが届いているので、サビ果の状況を実感している方もいると思います。特に秋映はサビ果が多かったのではないでしょうか。サビ果が出やすい品種とあまり出ない品種がありますが、秋映と同様、王林とふじも出やすい品種です。王林とふじの園地を視察しましたが、サビの出ているものが多く見られました。これは気象現象によるものなので、通りすがりに見た慣行栽培のふじの園地でもサビ果が見られました。

広範に広がった王林のサビ果。中身には影響ありません。

台風の影響では、「枝ずれ」や「打撲傷」が多く発生しています。これは強風で木々がゆすられ、枝がりんごに「こすれ」たり「当たる」などして茶色の跡がついてしまった状態です。王林、ふじとも枝ずれが多くみられます。表面についた跡だけですので、皮をむけば中身はきれいなりんごです。単にこすれて跡がついただけならいいのですが、強く打ちつけたとか、枝が刺さってしまったようなものは、小さな傷でもそこから腐りにつながってくるので出荷はしません。

 

見た目の問題として、「ひび割れ」のりんごもあります。夏の高温、旱魃から9月に入ると一転して雨の日が多くなり、一気に雨を受けたことで、実に水分が入るのに皮の伸びが追い付かず、表面がピキピキと割れてしまったものです。皮の表面に横にひびが入ります。

「日焼け」は、りんごの同じ部分に太陽の光が当たり続けていたことで起こる障害で、表面がツルっと赤茶けた状態になります。

今夏の高温続きで「日焼け果」が目立ちます。ひどいものは出荷しません。

他に黒星病も少し出ています。4月に黒星病の菌が飛散し感染しました。感染すると、黒褐色すす状の菌そうが現れ、その部分が黒変しザラザラしてきます。病気の木が出たら切り倒して感染を防ぐか、農薬使用以外に防ぎようがないので、農家が恐れる病気です。100円玉以内の大きさならばOKとしました。黒い部分をむけば中身に問題はありません。

王林についた黒星病 小さな害は出荷します

 

目立った被害果は以上のような状態です。見た目の問題以外に今年の傾向として、夏の降雨不足の影響で、平年よりやや小さめの玉が多くなりましたが、出荷量は大丈夫だそうです。被害の出ているりんごは選果の段階でしっかり見極めて、腐りにつながるようなものは出荷しません。

今年は大阪でも公園の木々や街路樹が倒れるなど台風の被害が大きく、その脅威を実感されている方も多いことと思います。そのような中で、落ちずに必死で木に付いていたりんご達です。傷ぐらいで文句を言ってはかわいそう。「見栄えより味を重視」いつも言ってることですが、この冬もしっかり食べていきましょう。木から落ちなかった強いりんご達のパワーをいただけるような気がします。受験生の応援にもいかがですか?

生活クラブ生協大阪は今年で50年を迎えました。信州八ケタ会との付き合いは1974年からで、約44年になります。その間、毎年生産者は大阪を訪れて自分達のりんごのことを組合員に話し、組合員は産地を訪問して実際に園地を見て「八ケタ会の今」を理解するなど交流をしてきました。年々厳しくなる天候不順ですが、これからも産地を訪れることで現状を知り、問題を共有してお互いに一方的な要求にならないよう納得のできるりんごを作っていくことが必要です。生協の先輩方のご苦労やご活躍に思いをはせながら、この先の50年、これまで以上に安心して食べられる美味しいりんごを作り続けていけるように、私達は利用し続けていきたいと思います。

 

                         産直交流部会担当理事 柳川久美子 

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