美浜原発3号機は、再稼働せずに廃炉にすることを求めます 意見書を提出しました
生活クラブは、原発のない社会をめざしてさまざまな活動に取り組んでいます。
原子力規制委員会は11月16日、関西電力美浜発電所3号機の運転延長を認可しました。
福島第一原子力発電所の事故後に作られた新しいルールでは、原子力発電所の運転期間を原則40年とし、1回に限り最長20年の延期ができるとされていますが、例外が安易に認められることによって、老朽化した原子力発電所の稼働延長がなし崩し的に認められ、再び原発依存に向かう道へと逆戻りするのではと懸念しています。
生活クラブ生協大阪は12月19日に開いた理事会で、原子力規制委員会と内閣総理大臣にあてて、美浜発電所3号機の廃炉を求める意見書を提出することを決定しました。以下は、その意見書の全文です。
2016年12月13日
原子力規制委員会
委員長 田中 俊一 様
生活クラブ生活協同組合大阪
理事長 浅井 由起子
美浜原発3号機の再稼働に反対する意見書
「美浜発電所3号炉は、再稼働せずに廃炉にすることを求めます」
11月16日、原子力規制委員会は、関西電力美浜発電所3号炉の再稼働を認可しました。 福島第一原子力発電所の事故後に作られた新しいルールでは、原子力発電所の運転期間を原則40年とし、1回に限り最長20年の延期ができるとされています。しかし、高浜原発に続いて美浜原発でも、例外が安易に認められました。
これに対し、生活クラブ生協大阪は強く抗議します。40年を超す老朽原発を延命させるのは、安全面からも、脱原発の未来に向かうためにも、認められません。
原子力発電所の運転期間を40年とするルールは、甚大な被害を今ももたらし続けている福島原発事故を踏まえ、圧力容器が核分裂で発生する中性子を浴びることでもろくなる目安として決められました。また、問題が指摘されている可燃性の電気ケーブルについては、難燃性ケーブルに交換できないものは防火シートで覆うことが認められ、このような対策で十分な耐火性能が保てるのか疑問です。
地震活動が活発化している現状を考えると、老朽した原子炉が強い揺れに耐えられるのかという問題もあります。
そして最長20年の延長は、「例外」に過ぎません。この例外の枠を不用意に広げてしまえば、福島原発事故を教訓に作られた制度が効力を持たず、再び原発依存の道へと逆戻りしてしまうのではと懸念します。
美浜原発のある敦賀半島には、日本原子力研究開発機構高速増殖炉「もんじゅ」や活断層を抱える日本原子力発電敦賀原発2号機が10キロ圏内に存在します。これらが同時に被災した場合のリスクは、十分に審議されていません。
また、関西の水がめ「琵琶湖」は美浜原発から50キロ圏内にあります。ひとたび美浜原発で放射能漏れ事故が起これば「琵琶湖」の汚染は免れません。琵琶湖の水は滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県に住む1400万人の水道水となっており、美浜原発で事故が起これば、わたしたちは生活に欠くことのできない大切な水を失ってしまう事になります。
以上の事から、美浜原発3号機は、直ちに廃炉にすべきです。
以上