「原子力利用に関する基本的な考え方(案)策定に対して意見を提出しました

原子力委員会が原子力政策の長期的な羅針盤となる「原子力利用に関する基本的考え方」を策定するにあたり、2017年4月26日より、意見募集を開始しました。

原子力発電反対、自然エネルギーの推進の立場から、生活クラブ生協大阪として、以下の通り、意見提出を行ないました。

 

 

●意見-1

大前提として、原子力発電については利用しない、という姿勢を持つべき。

《理由》

3.11によって、原子力発電の大きすぎるリスクが証明されている。案の「4.原子力利用の基本目標について」で「安全性の確保を大前提に(中略)国民生活及び経済にもたらす便益の大きさを意識して」原子力利用をすすめるべき、とある。しかし、「安全性の確保を大前提」は3.11以前からあったはず。にもかかわらず、あのような甚大な被害を生み、今なお苦しんでいる方がおおぜいる状況を引き起こしている。

さらに、東電福島第一原発の廃炉に限っても、今後何十年もの月日と十兆円単位の費用が必要とされる。これらの負担は原子力発電の「便益の大きさ」を享受した世代ではなく、その便益をほとんど、あるいは一切受けていない世代が負担することになる。このことは原子力利用の本質が将来世代にツケを回すものであることを明確に示している。

 

●意見-2

原子力発電の稼働を現在から将来にわたって一切停止した上で、廃炉ならびに使用済み燃料、放射性廃棄物の処理に全力を傾けることを基本方針とするべき。

 

《理由》

案の「4.原子力利用の基本目標について」の「(6)廃止措置及び放射性廃棄物の対応を着実に進める」で「放射性廃棄物は現世代が享受した原子力による便益の代償として(中略)現役世代の責任としてその処理・処分を着実に進める」とある。この姿勢自体は評価できる。将来世代にツケを回すことなく、今の世代で解決するべき問題であることは明白である。しかし、放射性廃棄物の処理のほか、原子力発電の廃炉などは数十年単位で行わなければならないものである。特に使用済み核燃料の最終処分については数千年、数万年単位に及ぶものである。つまり、原子力利用について「その処理・処分」をその便益を享受した現役世代で最終的に解決させることは不可能と言える。そうであるなら、将来世代へのツケをいかに小さく、少なくするかを真剣に考えるべきである。原子力発電を稼動した分だけ処理・処分するべきものが増大する。それだけ「現役世代の責任としてその処理・処分を着実に進める」ものが増大し、将来世代にツケとして残すものが増えていくことになる。

処理・処分するべきものを最小化する、つまり原子力発電を一切動かさずに処理・処分するべきものをこれ以上増やさないことが肝要である。そうすれば、「現役世代の責任としてその処理・処分を着実に進め」将来への負の遺産を減らすことが可能になる。

 

意見-3

使用済燃料の貯蔵について、現実を直視し、これ以上増やさない方策、すなわち原子力発電の永久停止措置をとるべきである。

《理由》

参考資料の「2)地球温暖化問題や国民生活・経済への影響を踏まえた原子力エネルギー利用のあり方」で「我が国の原子力発電所の使用済燃料の貯蔵状況」として発電所ごとの「管理容量を超過するまでの期間(年)」が示されている。「福島第一」「第二」を除いたものを単純に平均すると約8.4年となる。「全体として一定の貯蔵余地が確保されている状況にある」と評価されているが、一般的には「逼迫しており、遠からず余地がなくなる」と感じる人が多いのではないか。関西で立て続けに再稼働が進んでいる「美浜」「高浜」「大飯」についていずれも7年半ほどであり、また、東電が「経営再建の柱」としている「柏崎刈羽」はわずか3年である。原子力発電を稼動させようとする際に、この点が一切考慮されていないのではないか、と疑われる。

最終処分地どころか、中間貯蔵施設でさえも見通しがほぼ立っていない状況において、使用済燃料を生み出す原子力発電を動かすことは、将来を見通してのこととは思えず、「目先の利益」のみを追っていると言わざるをえない。「現役世代の責任としてその処理・処分を着実に進める」という姿勢が本物であるなら、この現実から直視した上で、とるべき方針は明らかではないか。

 

 

●意見-4

東電福島第一原発事故による被害、影響、現況などを記載すべき。

《理由》

案の「2. 原子力を取り巻く環境変化」では「2.1. 東電福島原発事故による影響」として「東電福島原発事故は、福島県民はじめ多くの国民に多大な被害を及ぼし、これにより、我が国のみならず国際的にも原子力への不信・不安が著しく高まり、原子力政策に大きな変動をもたらした。」としている。しかし、どのような被害や影響を及ぼしたかの記載はない。また、福島第一原発のその後また現状についても「参考資料」で「東電福島原発の廃炉」として示されている程度である。原子力を利用するとしても、事故の被害、影響、現状などを記載し、それを教訓としたものとすべきである。

 

●意見-5

原子力利用のリスクをゼロにすることを記載すべき。

《理由》

案では、原子力利用の推進を前提としている。「4. 原子力利用の基本目標について」では「…安全性の確保を大前提に国民からの信頼を得ながら、原子力技術が環境や国民生活及び経済にもたらす便益の大きさを意識して進めることが大切である。」とし、「(8)原子力利用のための基盤強化を進める」としている。また、「5.2. 重点的取組とその方向性」、「5.2.1. ゼロリスクはないとの前提での安全への取組」では、「(4)ゼロリスクはないとの認識のもとでの安全性向上への不断の努力」として「「安全神話」とは決別し、ゼロリスクは有り得ず、事故は必ず起こりうるとの認識の下、「残余のリスク7をいかにして小さく抑え、顕在化させないか」との認識を定着させ、国及び原子力事業者等は安全性向上に努めるべきである。」としている。

放射性廃棄物の処理の問題は別として現在稼働中の原子力発電の停止と原子力利用からの撤退により、限りなくゼロリスクに近づけるという選択をすべきである。

 

●意見-6

地球温暖化問題への対応策として原子力利用を促進すべきではない。

《理由》

意見-2でも述べたように原子力利用のゼロリスクは不可能ではない。そのことを踏まえると地球温暖化問題のリスクを低減させるために原子力利用によるリスクを高めることは本末転倒であり、両者のリスクを低減させるための方策を考え実行すべきである。再生可能エネルギーを中心としたエネルギー政策に舵を切ることが必要不可欠であり、その推進と原子力利用を近い将来ゼロにすべきであり、そのことにより両者のリスクが低減できるものと考える。また東電福島第一原発事故後の原発ゼロの電力需給は定着化しており、原発ゼロで夏のピーク需要時の電気は十分に足りることが明らかになっている。自然エネルギーにシフトすることを強めるべきである。

 

●意見-7

核燃料サイクルの取り組みは中止すべき。

《理由》

高速炉「もんじゅ」は長年かけてまったくうまくいかず廃炉を決定した。また六ヶ所再処理工場は技術的にもうまくいかず稼働は見通せない。再処理や高速増殖はよりむずかしく不安定なものであり、高速炉開発の計画は撤回すべきである。東電福島第一原発事故の処理もできない状況の現在、原発はゼロにし核燃料サイクルに税金を投入せず、即刻廃止をすべき。

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